汚染土壌オンサイト洗浄とは…
掘削した汚染土壌を「現地」で「洗浄処理」する技術です。汚染土壌から汚染物質が濃縮した細粒を分離し浄化土(礫・砂)を回収します。汚染物質に応じた洗浄液を選定、洗浄回数を増やすことで高濃度汚染の浄化も実現します。
その特長は
○重金属等による汚染土壌に対応
○従来処理に比べ、コスト削減を実現
○処理に伴うCO2排出を大幅に削減
○省スペースな現地処理の為、工場を稼働したまま対策が可能
〇周辺環境や地域住民に配慮した浄化対策
〇土壌汚染対策法における区域指定の解除が可能
重金属等による汚染土壌に対応
六価クロム、鉛、砒素、ふっ素など土壌汚染対策法に定める第二種特定有害物質(重金属等)による汚染土壌を現地で浄化することが可能です。重金属等の抽出と土への再付着防止を組み合わせた化学洗浄技術により、第二溶出量基準を超過する高濃度汚染土壌にも対応。
汚染土壌処理施設へ搬出する汚染土壌の濃度低減や減容化に利用することでコストの大幅削減も実現します。
従来処理に比べ4割程※のコスト削減を実現
現地で汚染土の洗浄・埋め戻しを行うため、土の搬出・搬入に伴う運搬費を大幅に減らすことができます。また、洗浄済みの土壌も再利用が可能なため、埋め戻し土の購入費用も削減。
オンサイト洗浄は低環境負荷なだけでなく、低コストな汚染土処理を実現します。
※汚染現場の立地により増減があります。
処理に伴うCO2排出を大幅削減
汚染土壌をその場で“洗い”、埋め戻すため、従来型の処理に比べ土の搬出・搬入を大幅に減らすことができ※、運搬車両の使用に伴うCO2の削減が可能です。
これまでの実績では従来型の処理に比べ、最大で571台の車両使用を減らし、89%のCO2削減も実現。
土壌汚染の浄化とCO2排出抑制を両立する持続可能な低炭素・低環境負荷の土壌処理技術です。
※ 場外搬出の大半は洗浄水のみとなります。
〇浄化方法による環境負荷比較
①全量場外搬出 |
②オンサイト洗浄 |
オンサイトの効果 |
|
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搬出・搬入車両 |
628台 |
57台 |
91%削減 |
軽油使用量 |
42,000L |
5,000L |
89%削減 |
CO2排出量 |
111,000kg-CO2 |
12,600kg-CO2 |
89%削減 |
■参考
CO2 1tについて
・杉の木71本が1年間に吸収する量
・2062kWhの電力を発電する際に排出される量(中部電力2016年データ)
省スペースな現地処理の為、工場を稼働したまま対策が可能
汚染土壌を現地で“洗い”、埋め戻すため、汚染の拡大や二次汚染のリスクが少ない処理技術です。また、処理に必要な設備一式を車1台に収めたコンパクト設計の為、省スペースで処理ができ、小規模現場にも最適。工場の操業を止めることなく浄化対策を行えます。
周辺環境や地域住民に配慮した浄化対策
汚染土壌を場外に搬出する従来の方法では、大型の車両が大量に往来する為、近隣での交通渋滞や事故などの交通障害、騒音や粉塵の発生、汚染土壌の飛散等のリスクがあります。汚染土壌オンサイト洗浄では、施工時の大型車台数を削減出来るため、従来の方法と比較して周辺環境や地域住民に配慮した浄化対策が可能です。
土壌汚染対策法における区域指定の解除が可能
土壌汚染対策法で求める浄化土の品質管理や施工中の周辺環境保全対策等、環境影響防止のための検討条件※もクリア。土壌汚染対策法における区域指定解除の実績があります。
※環境影響防止のための検討条件
①適用可能性試験の実施
②特定有害物質の拡散防止
③二次汚染の防止
④基準不適合土壌の区域外移動の防止
⑤特定有害物質の除去完了の確認
⑥掘削範囲の崩壊防止