処理性の高い処理システムを確立
抽出した鉛化合物は加湿成形され、鉛精錬所へ供給しています。また工程中に抽出される他の貴金属含有物についても、可能な限りの資源活用が図られています。
有害廃棄物処理=リサイクル という基本思想です。
有害な鉛化合物を、有用金属として利用
ブラウン管などの製造工程で使用される酸化鉛ペースト、あるいはプリント基板に使用されているハンダなど、エレクトロニクス製品の製造には、多くの鉛含有物質が使用されています。このような廃棄物に含まれる鉛化合物は、人体や環境にとって有害な物質であり、その処分に際しては、適正な無害化処理が求められます。しかし同時に、鉛は有用な金属でもあります。こうした点に着目し、ミヤマでは、早くから鉛などの重金属を含む廃棄物から、資源化が可能な有用物質を抽出し、精錬所向けの原料とする製造技術を研究してきました。
その成果の一つとして実用化されているのが、鉛含有廃棄物の処理システムです。
この処理工程では、廃棄物をロータリーキルンによって燃焼し、鉛化合物を捕集しています。抽出した鉛化合物は加湿成型され、鉛精錬所へ供給されています。また、工程中に抽出される他の貴金属含有物についても、可能な限りの資源活用が図られています。
ミヤマが確立した鉛含有物の処理システムは、有害廃棄物の処理工程が同時に有用金属の再利用プロセスであるという点に特長があります。必要な作業が処理工程に集約されることにより、きわめて有効性の高いリサイクルが可能となっています。これは、これからの廃棄物処理、リサイクル化の可能性を拓くケーススタディとも言えるものです。