2007.04.01
排水の薬剤処理はお任せください。
食品工場排水ラインで、年間2,280万円のコストダウンを実現。
近年ますます複雑化・多様化する有機系排水ラインでは、汚泥処理にかかわるコストが課題になっています。今回は、食品工場の排水ラインで凝集剤を改善することにより年間2,280万円のコストダウンを実現した事例について、環境商品事業部事業部長の松下正夫に訊きました。
有機系排水の汚泥を大幅に減量化。 ミヤマフロックMVシリーズ。
-有機排水ラインで大幅なコストダウンを実現したそうですが従来とくらべて改善されたところは?
ミヤマフロックMVシリーズを採用していただいたことが大きいですね。こちら様の排水処理ラインでは、油脂分が多く、嫌気化していて、脱水がしにくい状態になっていました。そこで、こうした状況に強いミヤマフロックMVシリーズをご提案し、含水率が82%だったものが、62%にまで下げることができたのが要因です。 そのため、発生汚泥量を大幅に減量することができたのです。
-汚泥に含まれている水分の処分にお金がかかっていたと言うことですね。
そうです。汚泥の含水率が高いと言うことは、それだけ汚泥の量が多くなるということですが、含水率を低減するとひとことに言っても様々なファクターがあって、なかなか難しいのが現実です。
-この成功事例は、MVシリーズの出現によるところが大きいのですか。
新商品のミヤマフロックMVシリーズは、有機系排水においてベタつきのない理想的な凝集ができ、含水率を低く抑えることができる高性能な凝集剤です。含水率が大幅に低減されたことで、発生汚泥量の60%近い減量に成功しました。
-この写真を見ると、従来よりもろ液がずいぶんきれいになっていますが。
左のビーカーは実は半分以上のSSがリークしている状態です。MVシリーズをお使いいただいてろ液がきれいになっているのは、リークしていたSSを96%まで回収できたからです。こちらの食品工場様ではスクリュー型の脱水機をお使いでしたので、最も効果的な凝集剤をMVシリーズの中から選択しました。その結果脱水機の稼働時間も24時間フル稼働だったものが1日10時間程度と、大幅に短縮できました。
-有機系排水に対しては優れた凝集性を発揮するミヤマフロックですが、無機系排水ではどうでしょうか。
無機系排水に対しては、MLシリーズとMAシリーズをご提案しています。分子の捕集能力が高いMLシリーズと、凝集能力が高いMAシリーズを使用することで、刻々変化する排水でも安定した凝集を可能にします。そのため従来添加していた助剤の添加量を塩鉄で63%、消石灰で72%の削減をし、その結果発生汚泥量を41%削減した事例もあります。
更なるコストダウンのための、 カスタマイズという提案。
-凝集剤の組み合わせによって、大きな効果が生まれてくるのですね。
各凝集剤の特性を効果的にするために、凝集剤のブレンドによるカスタマイズをご提案しています。特にMVシリーズの特徴として、他の凝集剤とのマッチングの良さがあります。それぞれの長所を生かし合って効果的な凝集が可能になります。お客様の排水性状や脱水機等、排水ラインまで含めてトータルで検証して最も効果的な凝集剤をブレンドしてご提案すること。それがカスタマイズです。ミヤマでは、800種類の中からベストな薬剤を選定し、お客様の排水にベストマッチした凝集剤をカスタマイズしてご提案しています。
お客様専用カルテで、性状変化にも迅速に対応。
ミヤマではお客様専用のカスタマイズをご提案する際に、排水の検査・分析、脱水機の調査、そしてバイオリアクターの微生物の生物診断をさせていただき、排水カルテをお作りしています。微生物を使った処理槽は、気温変化等に敏感ですから、定期的に診断することが大切なのです。また生産ラインで作るものが変化すれば排水の性状も変わります。そのため年間を通じて定期的にお客様の排水をチェック、カルテを見直してアフターフォローをさせていただいています。
自治体の下水処理施設にも納入。高分子凝集剤連続溶解装置。
-こうした薬剤を完全溶解する装置も取り扱っていますが。
今回、自治体の下水道処理施設向けに大型高分子凝集剤連続溶解装置を納入させていただきました。これは凝集剤の能力を100%発揮させるのに、必要な量を必要な時に溶解するいわゆるジャストインタイムでの供給をするために開発した装置です。自治体の審査基準を満たし、納入させていただく運びとなりました。下水処理場だけでなく、民間の大型排水処理ラインでもお使いいただける装置としてもおすすめします。
環境負荷低減とコストダウン。今や、どの企業においても大きな課題となっています。 ミヤマは、環境技術でお客様の課題解決に向けたご提案をしてまいります。
排水の薬剤処理につきましては、弊社営業担当または下記までお気軽にお問い合わせください。
環境商品事業部
TEL:026-285-4166 E-Mail:k-shouhin1@miyama.net
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