2002.06.01
特殊解体処理・リサイクルサービス
化学工場やメッキ工場ライン等の解体作業にあたっては、解体対象物に様々な化学物質が付着している場合が少なくなく、そうしたものの物性を的確に把握した上での作業が欠かせません。また、機密性のある産業機器を廃棄する場合は、安全で適切な処理が強く求められます。
このような、特殊性を有する解体物を適切に処理すること、そして、環境への負荷を増すことなく適切な解体を行っていくこと。通常の解体とは異なる、化学的専門性と高い管理体制に基づいた解体処理を必要とするサービスをミヤマでは『特殊解体処理・リサイクルサービス』と呼んでいます。
ミヤマが手がける工場や設備等の解体サービスの件数は増加の一途を辿っています。生産ラインやプラントの新設に伴う旧施設の廃止、あるいは、工場の移設や操業停止に伴うご依頼など様々。今回は、平成14年5月完成した分水工場4号棟により、処理能力を一段と高めた特殊解体処理・リサイクルサービスについてご紹介します。当サービスについて、分水工場長 真水正樹に訊きました。
-『特殊解体処理・リサイクルサービス』は、ミヤマが創業以来行ってきた事業の一つですが、最近の物件数増加に伴って、分水工場に新たに解体棟が完成しますね。
分水工場では、汚染土壌等の固形状汚泥処理や、化学物質が付着している恐れのある金属・プラスチック等について、洗浄から破砕・解体の一貫処理を行うことによって、無害化と再利用を実現しています。また、廃棄物の組成に応じて、再資源化率を高めるなど、より高度な資源循環の実現に取り組んでいます。 今回完成した解体棟では、特殊解体物件を含めた解体処理物全般について、仕分けと解体・破砕・洗浄等を行う設備が入っています。
-特殊解体では、具体的にどんなもののリサイクルや処理が行われるのでしょうか。
特殊解体として処理する物件は大別して二つに分かれます。一つは、化学物質の付着する製造ラインやメッキ工場等の解体。もう一つは、機密性を有する工作機械や製造ライン設備です。
-前者は、化学的な処理のノウハウや技術が必要ということで判るのですが、後者の機密性を有する、というのは?
例えば、半導体製造ラインや各種分析機器、試験装置等の設備は、企業の様々な技術やノウハウが投入されています。こうした、企業の機密に係わる物件を確実に解体処理して欲しい、というご依頼も多くいただいています。こうしたご要望に対してミヤマでは、手分解で丁寧に分解し、機密性を持つ部品を安全・確実に処理していく仕組みを構築しています。こうしたご依頼をいただけるのは、当社を信頼いただいているからこそ、と考えています。また、お客様のご要望によっては、分解から処理に至る各工程を写真撮影し、証明書としてお客様に提示する等して、信頼にお応えする体制を整えています。
-搬入されたものは、主に、ガラス類・プラスチック類・金属類に解体されるわけですね。
それぞれの特性を踏まえた上で適切な解体処理を行います。 ガラス類・プラスチック類・金属類はまず破砕処理を行ないます。その後、金属類は分別処理を経てリサイクルへ回ります。また、ガラス類やプラスチック類は、性状に応じて、リサイクル・焼却・埋め立てといった手法を経て適切に処理されます。 特殊解体物として搬入されるものの多くは最終的にリサイクルへと回ることになります。ちなみに、現在、当工場に搬入されているもののリサイクル率は、重量ベースで80%を超えています。
メッキライン
洗浄槽
-解体物には化学物質が付着している場合が多いようですが、そうなると分析も重要なファクターですね。
その通りです。解体処理の過程で出てくる廃液は、工場内の分析部門によって、厳密な工程管理分析を行いチェックしています。これは、中間処理工場内に解体棟を設置したメリットといえるでしょうね。
-解体に伴って生じる廃棄物の処理も同様ですね。
当工場の中間処理設備を使ってリサイクルや無害化処理を行う場合もありますし、廃棄物の性状によっては、当社の他の中間処理工場へ搬入し処理を行う場合もあります。いずれにせよ、特殊解体の処理工程で発生したものは、当社の中間処理技術をフルに活用して、自社内で適切に処理しています。
-特殊解体における、ミヤマならではの特長は他にもありますか?
解体から廃棄物の処理・リサイクルまで自社内で一貫して行っていることは今言いました通りですが、現地での作業についても、特殊解体に精通した熟練スタッフが担当し、撤去・搬出から運搬まで自社で行う体制を整えています。こうした体制に対して安心感・信頼感を感じられるお客様は多いようです。
-運搬についても、ミヤマでは独自の対策を施した収集運搬車両で対応していますね。
当社の収集運搬車両は、産業廃棄物を輸送する上で、様々なノウハウを導入した専用車両となっています。特殊解体物の収集運搬においても、性状に応じて専用車両を手配する等、安全面への配慮を厚くした対応を行っていますので、安心してお任せいただきたいと思います。
-工場の安全対策については?
周辺環境への負荷を限りなく少なくすることは、当工場の最も大きなテーマの一つです。工場内の処理施設から発生する排水の適正処理と、化学物質の安全な処理・リサイクルのシステムを構築しています。また、処理中に発生する排ガスは、スクラバー装置で無害化処理を行っています。 当工場は、平成12年12月にISO14001を認証取得しており、適正な産業廃棄物処理事業と、廃棄物を資源として再利用するリサイクル技術の研究開発と事業化を推進しています。
分水工場4号棟(左)と事務所棟
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