第14話:信濃の国の木の話。
長野県の古名は信濃。
シナノキが多く自生する「科野」から転じて
「信濃」になったとされます。
国名に用いる程大切にされた理由は、
木の皮にありました。
初夏の頃に内皮を剥ぎ、繊維をよって糸にします。
この糸で織り上げたのがシナ布。
麻が普及するまで最も主要な織物だったのです。
【シナノキ】
シナノキ科の日本特産種です。
木部は柔らかく耐久性に劣りますが、
シナ皮は現在もロープや布に使用されます。