第29話:森の人、日本人。
車でモンゴルの草原を走った日本人の話です。
日が暮れ、満天の星が輝き出す頃、
暗闇を走る車内で揺られていると、
どうしても大草原を走っているとは思えなくなる。
両側は大森林に包まれていて、その中の一本道を走っているように感じる。
窓外に目を凝らすと、森は見えなくなる。
同乗者に尋ねると、誰もが大草原を走っているとは思えない。
暗闇に森林が見えるという。
日本は豊かな気候に恵まれているから、
どこを走っても森林に出会う。道に森林があるのは当たり前。
結局、私たちに本陣は「森の人」だったと、
この時ほど感じたことはないという。
世界の森林面積は陸地の30%に過ぎない。
日本は国土の約70%近くが森林面積。
私たちは森からのたくさんの恩恵を受けながら
生活をしているのですね。