第27話:森は太陽とロマンの蓄積装置。
木は、炭酸ガスを吸収し、太陽光のエネルギーで水と合体させて、
炭化水素として固定化する。だとすればこれは大変なこと。
例えば、縄文杉が七千年の年月を生きているとすれば、
その中心は、七千年前の太陽エネルギーと
炭酸ガスを固定化していることになる。
しかも表面は、今の太陽エネルギーと炭酸ガスを固定している。
私たち人類は、現代の科学において、
これほどのエネルギー蓄積装置を持っていない。
森を歩けば、二十~三十年前のエネルギーを
蓄積する木に出会うことは当たり前。ちょっと探せば、
数百年前のエネルギーを蓄積した木に出会うことができる。
こう考えると、森が、私たちにロマンを与えてくれることがうなずける。
そろそろ春。
森の木々が新しい葉を芽吹かせ光合成の準備を始めました。