第23話:森に響く、木の悲鳴。
シンシンと凍れる冬の夜。くぐもった「ポーン」という音が
森のどこからともなく聞こえてくることがあるという。
これは寒さによって樹木の幹が割れるときの音。
詩的にいえば「木の悲鳴」といわれているものですが、
割れる瞬間を目撃した人はいないという。
だから幹が割れるときは、このような音がするであろう、
との想像であるともいえます。しかし、幹が割れている例は
わりと容易に見つけることができるという。
寒さで幹の水が凍って割れる現象を凍裂といい、
凍裂が発生した幹からは良い材木は取りにくく、
林業的に困った問題。
凍裂が発生した木では水分が異常に多く、
それが低温によって凍結する。
なぜ水分が多いのか。凍裂の原因を解明するには
木の成育環境などの研究が必要なのだという。