第14話:森を守る割箸。
わが国で箸が使用されはじめたのは、
古事記にあることから、相当に古い。
しかし割箸の出現は江戸時代、文化文政の頃、
二八蕎麦などの大衆外食産業が盛んに。
この頃、杉製の「引裂箸」が江戸、京、
大阪で使われたというのが割箸が文献に現れる最初。
明治に吉野杉から建材用や樽用材を取った残りの
端材部分を利用した小判型や丁六方、元禄型、
そして利休型、大正に天削型が考案されました。
健全な森林を育てるには、除伐や間伐、
ツル切りなど十分な手入れが必要です。
そのためには山村で働く人々の十分な収入が大切。
早生樹や間伐材、タダ同然に安い端材を原材料として
利用する割箸製造は、山村地域の産業振興にも寄与し、
それが緑の守り手の育成になると期待されています。