第12話:森は、魚を育てる。
森が魚を育てる。古くから森が河川の魚類の生息や
繁殖に果たす役割はさまざまに語られてきました。
たとえば、森は河川の氾濫を抑え、
水温や水質を保つなど河川環境を保全する。
また流路に倒れ込んだ木々は小さなダムをつくり、
森の影は魚達にやすらぎの場をつくり、
魚類の生育や繁殖のための多様な環境をつくる。
樹木から供給された落枝落葉は魚達の餌となる
豊かな水性昆虫などを育むのです。
森の魚に果たす役割はそれだけにとどまりません。
河川上流部の森からくる落葉の分解された
栄養素を含む水は、沿岸部のプランクトンに豊かな養分を提供し、
魚類を養い育てます。
そのため漁業に携わる人々が森づくりに取り組み始めています。
森はいい環境を私たち人間、そして魚にも提供してくれます。