第01話:森は偉大な水がめだ。
森を歩くと美しい湧水に出会います。
湧水は沢の水となり、川となって流れる。
森は幾つものダムを合わせた位の大きな水がめだという。
雨が降ると森の水は、一部は蒸発させ、残りの雨水は、
地下に浸透させて蓄え、時間をかけ、
何段階ものクッションを通して、いつもきれいな湧水として流出する。
森の木々は、水のダムとして調整弁の役割を果たしている。
森がなくなると、もし大雨が降っても、雨水は地表を流れ、
地下に貯えられることもなく、どっと沢の水となり流れてしまう。
森は、湿ったスポンジのように大きな吸水力を発揮する。
私たちは木の家に住み、木から作った新聞を読む。
木を伐ると同時に、森を維持して育てていく。
森に親しみ、調和していく。
森の恩恵への大切なお返しではないでしょうか。