ピジョンポスト 50号掲載
おくら
2000年前には、エジプトで栽培された記録が残るほど古い野菜ですが、日本でのデビューは江戸時代。ハイビスカスに似た花を観賞用として楽しむために栽培されていました。
サラダブームにのり、五角形の莢がお馴染みの身近な野菜になったのは昭和40年代。その小さな姿にもかかわらず栄養豊富で、ペクチンなどの食物繊維は整腸作用に優れ、血圧やコレステロールを下げる作用もあります。また、カロチン、カルシウム、鉄、ビタミンC等の栄養も豊富で、夏バテ防止にも最適。
コーヒーが入手困難だった時代、イギリスやフランスでは完熟させた種子を代用品として珍重したとか。そんな楽しみ方もあるなんて、チョッと意外ですね。
※本記事発行当時、おくらに「ムチン」が含まれるとの記載がありましたが、ムチンは動物性の粘性物質であり、植物には存在しないとのご指摘をいただきました。お詫びして訂正いたします。