ピジョンポスト 37号掲載
たんぽぽ
東北地方では、「ふじな」、「たな」と呼ばれ野菜の少ない春先に重宝されてきたキク科の宿根草たんぽぽ。ビタミン・ミネラルを含み、その薬効は野草の中でもピカイチです。
利尿や健胃に効果がある他、乾かした全草を土瓶でゆっくりと時間をかけて煎じ、お茶代わりに服用すると、肝炎や黄疸にも効果があります。食用としては、おひたし、和え物、きんぴらの他、天ぷらや炒め物など、油を使うと苦味が少なくなります。
古くから園芸的価値が高く、多くの品種が栽培されてきたたんぽぽ。
天保12年には「蒲公英名鑑」が出版され、昭和10年頃まで200を越す品種が継承されていました。しかし現在、在来種は繁殖力が旺盛な西洋たんぽぽに押され、そのほとんどが姿を消し“幻の園芸植物”となってしまいました。