ピジョンポスト 32号掲載
サヨリ
メバルなどと並び春告げ魚(はるつげうお)のひとつとして数えられるサヨリ。細長く、鋭く突き出た下あごが特徴で、「細魚」「針魚」などとも呼ばれます。
サンマとよく似ているところから、かつては「偽サンマ」としてサンマよりも安価に売られていた時期もあったとか。また、優美な外見に似ずはらわたが黒いため「腹黒」なるありがたくない俗称もあるそうです。
白身魚のサヨリは、脂質が少なく高蛋白低カロリー。血圧上昇を抑えるカリウムや、冷え性や頭痛に効くナイアシンも含む食の優等生です。その透き通るほどの身の美しさと淡白で上品な味わいから、いまやお鮨やお刺身などとして人気の高級魚。「偽サンマ」の不遇の時代から名誉挽回を果たし、春を迎えた春告げ魚、といったところでしょうか。