ピジョンポスト 9号掲載
ふぐ
冬の味覚の王様といったら「ふぐ」。代表的な料理は”てっさ(刺身)”と”てっちり(ちり鍋)”ですが、この「てつ」とは鉄砲の「てつ」からきているそうです。すなわち「あたると死ぬ」。「河豚は食いたし命は惜しい」という諺まである魚です。
ふぐの毒はテトロドトキシンといい神経系統を麻痺させることで知られていますが、実はこの毒はふぐ自身が体内で合成するのではなく、ふぐが好んで食べる貝類が微量に持っている毒素が蓄積され生成されるようです。
しかしふぐにはイノシン酸とグルタミン酸という旨味のもとがバランス良く配合されていて、食通ならずともたまらない魅力があります。栄養的には良質のタンパク質とビタミンB2、ナイアシンが多く含まれ、高血圧や肥満の予防にも効果的です。ここで諺をもうひとつ「河豚食う無分別、河豚食わぬ無分別」さて、あなたはどちらでしょうか。
※現在ではふぐ調理資格免許を持った方のみが調理できることになっておりますのでご安心ください。