観察倍率2,500倍のキタキチョウの脚の感覚毛
空飛ぶドラマー
初夏になり、たくさんの蝶を目にする季節となりました。花から花へと自由に飛び回る蝶ですが、実は幼虫は特定の植物のみを餌(食草)とします。移動範囲が限られる幼虫が自力で食草を探すことは難しく、種の繁栄には母蝶が確実に食草に卵を産まなければなりません。では、成虫はどのように卵を産む葉を見分けるのでしょうか?画像は、キタキチョウの前脚を拡大したもので、毛が生えているのが分かります。これは感覚毛という"味"を認識できる器官。蝶を観察していると前脚で葉の表面を叩いていることがありますが、ドラミングと呼ばれるこの行動で味を確かめ、食草か否かを判断しているのです。ちなみに、脚の先端にある鎌のようなものは爪で、これにより蝶は花や垂直面などにも摑まることができます。