観察倍率2,000倍のたくあん
日本の食卓の名脇役 たくあん
宮中儀式等を記した平安時代の文献にも登場し、日本人に馴染み深い漬物。今回は大根とたくあんを比較しました。拡大すると、大根にあるハニカム状の"細胞膜"が、たくあんでは破壊され、しぼんでいるのが分かります。野菜が漬かり、細胞内の水分が外に出ると同時に塩が中に入ることで、細胞内の酵素が働いて野菜の成分を分解し、生野菜とは違ったうまみや独特の風味が生まれるのです。
漬物等の発酵食品が日本食に多いのは、降水量が世界平均の約2倍ともいわれる温暖湿潤な気候が微生物を使った発酵に適しているため。野菜を保存する目的で生まれた漬物ですが、発酵を利用し美味しさに変えるなど日本人の叡智が詰まっています。