目視できる丸いコブと観察倍率8,000倍の根粒菌
人類の歴史を変えるスーパー細菌
草むしりの際、根に付いた丸いコブを見たことはありませんか?これはマメ科の植物にある"根粒"という器官で、根粒菌という菌により根の細胞が増殖してできたものです。根粒菌は宿主(マメ科植物)から栄養をもらう代わりに、空気から栄養素(窒素化合物)を作り出し宿主の植物に供給しています。窒素は生物に不可欠な栄養ですが、大半の生物が空気からは吸収できず、植物も土中の窒素化合物が不足する場所ではうまく育ちません。しかし、マメ科植物は根粒菌との共生でこれを解決しています。一般的な化学肥料は、高温高圧下で製造されるため膨大なエネルギーが必要です。根粒菌は窒素化合物を常温常圧下で自然に生成できるため、この仕組みを研究することでクリーンで持続可能な農業の実現に繋がることが期待されています。