観察倍率2,000倍のツツジの花粉
次世代へのバトンは粘着力が要?
この時期に公園や街路を華やかに彩るツツジ。今回はその花粉を拡大しました。通常、花粉はその元となる花粉母細胞が4つに分裂することで作られますが、ツツジ等は分離せずにそのまま花粉となるため、画像のように複数の立方体が連結したような形をしています。また、ツツジは昆虫を利用し受粉を行う虫媒花でありながら、他の花粉に見られるトゲのような凹凸もありません。一見すると虫に付きづらそうな形状ですが、表面に血管のように見える粘着性の糸で昆虫に絡みつき花粉を運んでもらうのです。ちなみに、花粉にもDNA情報を安全に運ぶための頑丈な細胞壁があり、受粉せず湖や湿地等に落ちても土の中で数100万年もの間その形を留めることができるとされています。粘着糸も、丈夫な作りも種を後世へ繋ぐための植物たちの生存戦略なのですね。