観察倍率3,000倍の苺のヘタの維管束螺旋紋
次世代の高速通信のカギは植物にあり!?
植物には水や栄養を体内へと運ぶ「維管束」と呼ばれる管があり、その周りにはセルロースでできた螺旋状の組織(維管束螺旋紋)が形成されます。画像は苺のヘタから採取した幅約1μmの維管束螺旋紋。多くの植物がこのような"バネ"を持っており、これを取り出し、メッキ加工等をすると微細な金属コイルを作ることができます。生物の構造などを工学に応用するバイオミメティクスとは異なり、生物の構造をそのまま活用するバイオテンプレートといわれるこの技術。現在、この手法で製造されたマイクロコイルは、高速通信に不可欠な高周波帯電波の吸収材等への利用が期待されており、効率よく"バネ"を採取できる植物の研究等が進められています。