観察倍率10,000倍のホタテの殻(左)、アワビの殻(右)
進化が生んだ軽量化 ホタテの殻
貝殻は種類により形だけでなく強度や重さも様々ですが、これは主成分の炭酸カルシウムは多形であり、同じ化学組成ながら結晶構造の違いにより密度や溶解性への耐性等が異なる「カルサイト」「アルゴナイト」という別の物質になりうるという特徴を持っているため。貝は生息環境や生存戦略によって、この2つの物質の比率が異なり、少しでも殻を軽くしたい場合にはアルゴナイトに比べ密度の低いカルサイトが多くなります。画像はほぼ全てがカルサイトのみで構成されたホタテの殻の断面を拡大したもの。以前紹介したアワビとは結晶構造が異なるのが分かります。
ホタテは敵に襲われる前に泳いで逃げるため、体を軽くし、俊敏な動きができるようにしているのかもしれませんね。