観察倍率3,000倍のミヤマカラスアゲハの鱗粉 黒い部分(左)と緑に見える部分(右)
気品ある美しい蝶ミヤマカラスアゲハ 輝きの秘密とは?
画像は、ミヤマカラスアゲハの黒と緑に見える翅の鱗粉を拡大したもの。黒い部分は、鱗粉が本来持つ色素で発色しているのに対し、緑の部分は構造色であり、特別な色素を持たずに、特定の波長のみを強く反射することで発色しています。緑の鱗粉の表面をみると黒の部分とは異なり凹凸しているのが確認でき、これが光の干渉に繋がっているため、私たちの目には緑色に見えるのです。構造色は顔料などと異なり、紫外線によって脱色することがないため、繊維や自動車の塗装など工業製品への応用も進められています。