観察倍率1,000倍のトンボの翅
昆虫界のトップ飛行士 トンボ
トンボは急加速や急旋回、ホバリング(停止飛行)が出来るなど飛翔性能の高い昆虫として有名ですが、それは他の昆虫と異なり、4枚の翅を個別に制御できることに加え、翅そのものにも秘密が隠されています。画像はトンボの翅を拡大したもの。翅には翅脈と呼ばれるすじが張り巡らされており、そこに高さ約60μmの棘のようなものが等間隔でついているのが分かります。これがあることで翅の上側に空気の大きな渦を発生させ、揚力を高めていると考えられています。これらの特徴が備わっていることでトンボは他の昆虫より安定して飛ぶことが出来るのです。こうしたトンボのメカニズムは、災害時に危険で狭い場所の情報収集を行う超小型飛翔体の開発への応用も期待されています。