2007.08.01
オンサイトでリサイクルシステムを実現。 ミヤマ独自の資源循環システム「フッ素回収装置」
春には街全体が桜色に染まる、といわれる桜の名所、埼玉県深谷市。この深谷市にある東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社深谷工場様。2002年4月に株式会社東芝様と松下電機産業様の液晶事業が統合し、両社の持つ先端技術と生産技術の更なる開発を進められ、高付加価値な液晶ディスプレイを生産している中核工場です。この度、同工場内の排水処理施設に、弊社のフッ素回収装置を導入いただきました。深谷工場 工場長 山本富章様に伺いました。
2010年を見据えた、 全社一丸の環境活動。
-深谷工場様では、以前から環境活動に積極的に取り組んでいらっしゃいますね。
当社は、「最先端のディスプレイと、先進的な環境経営で、社会に貢献します。」を「環境のスローガン」として、全社で環境活動に取り組んでいます。当社が現在実行している「グリーンプラン TM2010」では、「グローバルで廃棄物のゼロエミッションと排出量削減」をはじめ、地球温暖化防止のためのCO2排出量削減、水資源保護、環境に配慮した「夢のディスプレイ」の開発等、8項目の目標を2010年までに達成すべく、さらなる環境活動に取り組んでいます。
-生産していらっしゃる製品についても環境に配慮されていますが。
当社で製造している液晶パネルは「環境調和型製品(ECP)」といいまして、お客様にご使用いただく際の環境負荷を低減すること、製品として環境負荷を小さくすることなど、環境に配慮した製品を製造しています。「環境調和型製品(ECP)」は開発段階から消費電力低減、パネル重量低減について検討し、設計に反映させています。新規開発製品については、「製品アセスメント」システムにより目標とした消費電力・パネル重量低減の目標達成はもちろん原料及び部品に含有される化学物質についても当社及びお客様ご指定の「使用禁止物質」が含有されていないことを確認しています。
工場内で発生する脱水ケーキも1/3以下に。
-御社の環境保全活動のお取り組みの中でフッ素回収装置をご採用いただけた理由はなんでしょうか。
排水中のフッ素を削減するという課題に対して、削減するだけでなくフッ酸原料として汚泥をリサイクルできる、というご提案をいただいたことでしょうね。実際に、排水中のフッ素が目標以上に削減されています。 また回収装置から発生する脱水ケーキもフッ酸の材料としてリサイクルできる濃度に達し、順調に回収できています。フッ酸排水を分離することにより、既設排水処理施設の中和薬品も削減することができました。それに伴って汚泥量も160t/月から50t/月と、従来の1/3に削減することができたのです。フッ素回収装置は、廃棄物を資源として有効にリサイクルするだけでなく、リデュース、リユースまで視野にいれて、3Rを進められる装置です。今までは廃棄物を無駄なくリサイクルするかに力点が置かれていましたが、今後は廃棄物を削減することに一層の力を注いで強化していきます。
21世紀の社会のヒントは、 ブラジルに。
-先日までブラジルへ研修にいらっしゃっていたとお聞きしましたが。
ブラジルは今、BRICsと呼ばれ近年経済が発展している国として注目されていますね。そこで、ブラジルの中でも非常に経済が活発なアマゾナス州のマナウスに行ってきました。マナウスは、ブラジルの中でも関税特区になっているために日本を初め世界から企業が進出している所なんですが、非常に豊かな森林がある。21世紀は経済と環境の調和の時代です。マナウスで、21世紀の社会のヒントを得た、と思いました。これからの当社の環境活動に反映させていければと思っています。
ミヤマのオンサイトシステムは廃棄物削減はもとより、工程内での酸や重金属を初め、フッ素などの資源回収を可能にするシステムです。オンサイトでのリサイクルは、資源の有効活用はもちろん、廃棄物削減による運搬や処理の際の排出CO2の削減など、環境負荷軽減を実現する装置として注目されています。フッ酸の原料である蛍石は、貴重な地球資源の一つ。近年では残存量や資源確保で話題に上ることも多い資源です。フッ素回収装置は、オンサイトで使用されたフッ酸をフッ素として回収し、フッ酸の原料としてリサイクル。工程内での資源回収・リデュース・リユースにつきましても、ミヤマにお気軽にお問い合わせください。
環境装置事業部
TEL:026-285-4183 E-Mail:souchi@miyama.net
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