2005.12.01
下水道処理分野で広がる導入 ミヤマの高分子凝集剤連続溶解装置
用水・排水等の生物処理を軸とした独自技術で水環境保全に貢献される西原環境テクノロジー様。同社が手がける下水道処理施設では、ミヤマの高分子凝集剤連続溶解装置を組み込んだシステムの展開が進んでいます。同社機器事業部営業グループ統括マネージャー井上洋一様に伺いました。
-下水処理場の施設に当装置を組み込むメリットは?
下水処理場では、汚泥濃縮や脱水の助剤として高分子凝集剤が使われています。従来の施設では、凝集剤の溶解時間が2時間程度の大型タンクを複数台設置して対応しています。当然、相応の設備スペースが必要で、さらに溶解作業に人手をかける必要がありました。
当装置の瞬間連続溶解技術、つまり、必要な時に、必要な量を瞬間的に確保できる特長が、大きな溶解用タンクをまったく不要にしてしまいました。省スペース、設備の軽量化、省人化、さらに設備レイアウトの自由度が増すことで段階的な増設計画が立てられる等、従来の考え方を大きく変えてしまう力を持っています。そしてこれはそのまま、お客様のメリットです。下水処理施設の改築・更新事業が今後増加していく中、時代を先取りした装置、技術だと大変心強く感じています。
-本格的な導入、また一方では将来を見据えた大規模なテストも行なわれていますが。
平成17年3月、(財)下水道新技術推進機構の建設技術審査証明を、当社とダイヤニトリックス(株)殿と共同で取得しました(審査証明第0415号)。下水道事業に対する当装置の公的評価を得たわけで、現在導入が進んでいます。
10月には日本下水道事業団発注により、愛媛県今治市の浄化センター施設を受注しましたが、消化汚泥の脱水用高分子凝集剤溶解装置の更新物件として採用されました。お客様である市と日本下水道事業団からは、当装置を採用することで設備全体がコンパクトかつ軽量化できたこと、また実証試験での結果が良好だったことなど高い評価をいただいています。
-実証試験での結果は具体的には?
溶解しづらい高分子凝集剤が自動的に、完全に溶解できることをお客様ご自身に確認いただけたことがまず1点です。また、当装置の溶解液を使ったところ脱水性能も向上しました。溶解に使用する水には下水道の処理水を使うため、劣化が早いのですが、必要な時にフレッシュな溶解液を供給する当装置は、凝集剤の性能をフルに発揮できます。
-Y市では、大規模なテストも行なわれましたね。
Y市の脱水設備は、日本最大規模の一つです。その規模の中で当装置をテスト稼動しましたが、これも良い評価が得られています。今後、大都市や大規模な処理場で導入いただくことに大いに自信を得ることができました。
御社が開発された当装置は、日本の下水道処理場の薬品溶解設備を一新する力を持っていますし、お客様にも多くのメリットをお届けできます。当装置を通じて、一層の環境貢献、社会貢献ができればと考えています。
-ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
高分子凝集剤連続溶解装置に関するお問い合わせは下記までどうぞ。
環境商品事業部
TEL:026-285-4166 E-Mail:k-shouhin1@miyama.net
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