2005.09.01
ミヤマのレアメタル再資源化技術。
レアメタル。希少性の高い31種類の金属の総称で、それぞれ、耐熱性、耐食性、磁性、蛍光性等の特性を持っており、鉄鋼からハイテク製品まで、現代の産業界に欠くことのできない原料です。
例えば、パソコンや薄型テレビ、携帯電話など多くの電子機器で使われる化合物半導体にはガリウム、テルル、セレン、ジルコニウム等が、液晶パネルの透明電極材料にはインジウムが使われています。また、燃料電池や太陽電池といった環境分野では、モリブデン、ニッケル、チタン等が欠かせません。
ミヤマでは、レアメタルのリサイクルについて、豊富な実績と共に、様々なご要望にお応えしています。環境リサイクル事業部事業部長の櫻井英明に聞きました。
-最近、レアメタルを巡る話題がメディア等でも頻繁に取り上げられるようになっていますが。
日本は世界最大のレアメタル消費国といわれていますが、ほぼその全量を輸入に頼っています。レアメタルを使った製品需要は現在も拡大していますが、一方で、レアメタル産出国が一部に偏っていることや、世界の工場といわれる中国で、レアメタルを使用した高機能な製品の生産が急激に拡大していること等から、安定的な確保が大きな課題になっています。日本は、過去20年間にわたり、主なレアメタル7種を政府が備蓄していますが、今年に入り、モリブデンを含めた4種が緊急放出される、という報道もありました。
-そうした情勢の中、レアメタルのリサイクルに対する注目が、これまで以上に高まっているようですね。ミヤマでは既に様々なレアメタルのリサイクルに実績を持っていますが、一例を教えてください。
例えば、電子機器の基板メッキや接点には、インジウムとスズの酸化化合物であるITOが使われています。この、メッキ廃液や洗浄液は通常、含有するインジウムの濃度が低いためリサイクルの対象にはなっていません。
しかしミヤマでは、以前から、こうした低濃度廃液中のレアメタルのリサイクルを実践、お客様の再資源化のニーズにお応えしています。 例えば、インジウムの含有率が1%程度の廃液であれば、ミヤマ大町工場等のリサイクル施設で30~40%程度まで濃縮し、リサイクル原料として資源循環の輪に乗せていけます。
また、さらに低濃度な、レアメタル含有率が1%に満たない場合でも、弊社のプラント部門と連携を取りながら、お客様の処理フローに応じて、濃縮装置の設置、最適な手法を提案しています。
-化合物半導体や超硬金属などの複合素材の分野でもレアメタルは多く使われています。こうした分野のリサイクルについては?
ミヤマでは、物理的な剥離作業と化学処理の両方で対応しています。
大町工場では、ドリルの切削刃等の超硬金属に使われているタングステンやモリブデンの回収も行っています。鉄と組み合わされた超硬工具の場合、鉄を薬剤で溶解し、タングステンやモリブデンを回収。通常こうしたリサイクルは、取り出した後の鉄の溶解液の処理等に手間がかかりますが、ミヤマでは、これも中間処理工場の工程内処理薬剤としてリサイクルしています。
また、銀、インジウム、ニッケルなど多くの金属を含む化合物半導体も、それぞれの金属へと回収しています。
-様々なレアメタルリサイクルを行っていますが、お客様から引き取った際の性状は多様です。分析の重要度が求められますね。
営業担当による物性の把握から始まり、工場受け入れ時には、高精度の分析によって性状を正確に把握し、最適な分離・抽出プロセスや薬剤の選定を考えていきます。
資源化については、多品種小ロットに対応する大町工場をはじめ、数万リットルのオーダーに至るまで、ボリューム、性状に応じて対応しています。
総合力を生かした間口の広さがミヤマの特長のひとつです。どんなものでもご相談いただければと思います。
先日も「銀とインジウムを含んだメッキ廃液の場合、リサイクルの対象になるのは銀だけ。インジウムを取り出すリサイクルは出来ないか」というお問い合わせをいただきました。もちろん、当社で、銀とインジウムの両方を取り出すご提案をし、お客様にもご満足いただけました。
複合液や複合素材は、その組成によってリサイクルの手法が異なります。ミヤマは、レアメタルリサイクルの豊富な実績のもと、最適なサービスをご提案しています。
「もしかしたら、これもリサイクルできるかな?」そう思われたら、まず、ご相談ください。
※レアメタルをはじめ、ミヤマのリサイクル取り扱い品目を掲載したリサイクルインデックスページにて、主な品目約200種を掲載しています。
内容につきましては「リサイクル取り扱い品目一覧」のページをご覧下さい。
環境整備事業部
TEL:026-285-4183 E-Mail:kansei@miyama.net
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