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旧ピジョンポスト

ピジョンポスト Vol.26

2001.12.01

ミヤマが開発!エコドライブナビゲーションシステムMHS-01 エコロジーとエコノミーを実現する自動車向け環境機器。

mhs2001_01.jpg産業活動、経済活動等の結果排出されるCO2等の温室効果ガス。これらの影響によって地球が急激な温暖化に向かっているのではないか、との懸念は近年、様々な環境問題の中でもとりわけクローズアップされ、問題への対応と解決が急がれています。
現在、日本国内において排出されるCO2の部門別内訳の中で、運輸部門の占める割合は約21.7%、その中にあって物流貨物車の排出するCO2量は約28.6%と大きなウェイトを占めています。(1998年度 国土交通省資料)

現在日本で稼動しているトラックは約1千万台。総貨物輸送量に占める自動車輸送の割合は5割を超えており、さらに高まる傾向にあります。こうした流れに対し、CO2等の削減を目指してクリーンエネルギー自動車の普及促進、物流の効率化などが取り組まれていますが、今のところ確実性のある対策は見込めていないのが実情です。


自動車のための環境機器開発に向けて

このような中で、私たちミヤマは、車両の走行状況を動的にとらえることで燃料消費・排出ガスの削減を具体化させる「エコドライブナビゲーションシステム」の開発を行ってまいりました。
当システム開発のきっかけは、当ピジョンポストでも幾度かご紹介してきた『エコドライブ運動』でした。運動を進めていく中で発生してきた問題、例えば、ドライバーが同じ意識でエコドライブを励行したとしても、エコドライブの概念を実際の運転操作にどのように反映させるかには個人差があったり、ドライバーの技量によって結果は大きく異なる、といったことです。
全てのドライバーが、ある水準以上のエコドライブを行うためには、より客観的な指標と、ドライビングの状況を数値化したデータが必要ではないか。それが、当システム発想の原点でした。

『MHS-01』は、エンジン性能や車両重量、道路状況、道路状態、燃料消費量などの情報を解析しますが、この際、本体装置以外の特別な計測機器(燃料流量計・勾配計・トルクメーター等)を一切必要とせず、車速・エンジン回転数・アクセル開度、そしてGセンサの4つのデータを元にしたCPUの演算によって必要なデータを導き出します。また、型式の古い車両から最新の電子制御車まで、メーカーや車種を問わず、幅広く対応するのも大きな特長です。

車両の運転状況は、車両性能や積載の有無、走行路面や混雑の状態、ドライバー自身の運転特性などによって大きく異なります。
エコドライブナビゲーションシステム『MHS-01』は、各車両に合わせ、実車走行状態でのリアルタイムな運転状況の計測、演算、分析を実現。これまであいまいであった車両運行の評価に、明確な数値目標と管理基準を提供します。

当システムは、自動車工学をベースとした、省エネ及び環境負荷を軽減するための機器です。当システムの開発にあたりましては、かつて日産自動車中央研究所で高性能エンジン・排気浄化技術・騒音低減技術の研究に従事され、現在は東海大学工学部同動力機械工学科にて後進の教育にあたられる自動車工学の第一人者、林義正教授より全面的な技術指導をいただいています。(林教授につきましては、ピジョンポストvol.16で詳しくご紹介しています。)


『MHS-01』の仕組み

zu01.gifエコドライブナビゲーションシステム『MHS-01』は、自動車に搭載する車載装置(メインユニット+液晶ディスプレイ)と、ソフトウェア(車両データ設定ソフト&評価ソフト)により構成されます。当システムによって以下のことを実現します。


1. 車両の走行状況をリアルタイムで計測・分析・評価し、ドライバーへの運転指導(エコドライブ・ナビゲーション)を行います。また、走行中の全データを取得します。

2. 管理者は、走行データをパソコン上の評価ソフトで集計・解析することで、数値管理に基づいたエコドライブ評価・車両運行管理・運転者管理が行えます。また客観的に問題点を把握し、指導・改善することができます。運転者は、集計されたデータを確認することで、自身の運転特性を把握できます。

3. 集計されたデータは、さまざまな管理システムに対応する記録(ドキュメント)として保存、管理、応用することができます。これらにより物流コストの低減、環境負荷の軽減、安全運行の実現を図ることはもちろん、経営的な課題に対応する数値管理や、物流マネジメントシステムの運用を可能なものとしています。


車載装置は、メインユニット及びディスプレイからなっています。
メインユニットは、様々な演算を行うCPUとGセンサ、そしてデータをやりとりするためのメモリカードスロットが内蔵されています。
ディスプレイには、グリーン→イエロー→レッドと、ドライビング状況に応じて点灯する『エコグラフメーター』が表示されます。
なお、どんな運転操作がエコドライブに反しているかについても、警告表示の形でリアルタイムに表示されます。

ソフトウェアは、車両データ設定ソフトと評価ソフトの2種類があります。このうち、車両データ設定ソフトは、走行前に、予め車両の型式に応じた固有のデータをメインユニットに登録するために必要となるソフトです。
また、評価ソフトは、メインユニットからPCに取り込んだ走行データからドライバーの走行を評価するためのものです。管理者がドライバーの運転を適切に分析・評価・指導するための情報を表示します。


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物流の『グリーンロジスティクス』を加速するMHS-01

mhs.jpgさらに、車載装置で取得した走行時のデータをPCに取り込み解析を行うことにより、ドライバー個々のエコドライブ度や、安全運転を客観的に診断する評価システムを活用することで、管理者によるドライバーの指導や評価といった、これまで『ブラックボックス』であった部分にまで踏み込んだ『グリーンロジスティクス化』を可能としています。

おかげさまにて、11月6日の開発発表会以降、大きな反響・お問い合わせをいただいております。
「MHS-01」は、当面するエネルギー削減対策、環境負荷削減対策への貢献という観点に立ち、まず、トラック等の物流貨物車両への製品化を目指しています。製品化に向け、現在プロジェクトチームによる開発は続いています。どうぞご期待ください。


掲載内容は発行時点のものです。最新情報についてはお問い合わせください。

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