2000.12.01
独自技術で最速24時間以内※ の結果報告!ミヤマのダイオキシン類分析サービス『ワンディ分析』
※測定物が弊社測定部門に到着してからE-Mailもしくはファックスによる結果速報提出までの時間です。
平成12年1月に施行されたダイオキシン類対策特別措置法により、ダイオキシン類の測定義務を生じる特定施設が大幅に増加しました。従来の排ガスのみから、排ガス、排水、燃え殻及び集塵施設のばいじんへ、年1回以上の測定と報告が義務付けられています。こうした法改正に対応すべくミヤマでは、既設のダイオキシン類分析室の処理能力を倍増してお客様の需要増大に対応する一方、まったく新しい分析手法として、より安価かつ迅速にダイオキシン類を測定する『ワンディ分析』サービスを自社開発し提供しております。今回はこの『ワンディ分析』について、ミヤマ環境技術開発研究所の田野所長に訊きました。
-ミヤマでは、『JIS規格分析』と『ワンディ分析』の2種類のダイオキシン類分析サービスを提供しています。今回取り上げる『ワンディ分析』は、『JIS規格分析』とどう違うのか、お話いただけますか。
ダイオキシン類分析の手法として一般的なのは『JIS規格分析』です。公定法などとも呼ばれていて、年1回の報告が義務付けられている報告書は、この分析法に基づくものでないと認められていません。 一方、『ワンディ分析』は、公定法としては認められていないものの、ダイオキシン類を迅速かつ安価に測定するため、ミヤマが独自に開発した分析方法です。
-JIS規格に定められた分析方法では、分析コスト削減や分析期間短縮を望まれるお客様のニーズにお応えするのにも限界があるのは確かですね。
年1 回の報告書提出用としてならまだしも、規制が厳しくなり、分析対象物が拡大していく中で、ダイオキシン類の値を基準以内に抑える対策を施すには、より頻度と調査対象を拡大した測定を要する場面が増えていきます。例えば工場では、生産ラインの状況は常に一定とは限りません。生産する製品が変われば、そこから排出される排ガスや排水、汚泥などの性状も刻々と変化していきます。こうした現実に対処するためには、必然的に分析のサンプル数は増えて行くわけです。 しかし、そうした分析が必要とは判っていても、高価で時間もかかるJIS規格分析でこうした全てを行うには、対策費用も莫大となり、対策にタイムラグが生じる可能性もあります。こういう悩みは、環境対策に真剣な企業であればあるほど、大きいのではないでしょうか。 そうした状況に対して、年1回の報告書用データとしては使えないものの、もっとリーズナブルに、スピーディにダイオキシン類を測定分析するサービスを提供すれば、お客様が抱え込んでしまっている潜在ニーズに対応出来るのでは、と考え『ワンディ分析』の自社開発をスタートさせたわけです。
-『ワンディ分析』は、現在様々な手法が登場しているいわゆる『簡易分析法』のひとつ、という位置付けなのでしょうか。
『JIS規格分析』よりも、安価かつ迅速なダイオキシン類分析サービスを提供する、という点では『簡易分析法』のひとつと考えていただいて結構だと思います。ただし、ミヤマの『ワンディ分析』は、一般的な『簡易分析法』よりもむしろ『JIS規格分析』に近い高精度分析の手法ですので、『簡易分析法のひとつ』と括られてしまうのは、内心じくじたるものがあります(笑)。
-いわゆる『簡易分析法』と『ワンディ分析』の最も大きな違いはどこにあるのでしょう?
他社さんの行われているいわゆる『簡易分析』のほとんどは、対象物中のダイオキシン類の量を『相対的』に分析測定します。つまり過去のデータと比較しながら、ダイオキシン類の量を『推定』していく手法です。 一方、ミヤマの『ワンディ分析』は、イオントラップ型質量分析計によるMS/MS測定を行い、対象物中のダイオキシン類の『絶対値』を計測します。この考え方は、言い換えれば『JIS規格分析』と同じ、ということなのです。使用する設備は高価になりますが、私たちはたとえ『簡易分析』であっても、『推定』でなく『特定』することにこだわりました。その結果、高い分析精度を得ることが出来たのです。
-精度最優先で敢えて難しい手法を選択した訳ですが、にも関わらず最短24時間(ワンディ)以内の分析結果報告が可能な、非常に迅速な分析手法を確立できた理由は?
『1日以内にどうしても分析結果を知りたい』というニーズが分析依頼総数のうちどれだけあるかは判りませんが、高い分析精度を維持した中で、いかに分析速度を上げていくか、これは技術開発の点で大きなチャレンジになりました。具体的には、サンプリングした物質から不要なものを取り除きダイオキシンを絞り込んでいく、いわゆる前処理の工程は、分析工程の中で最も時間を要してしまうのですが、ここを飛躍的に短縮する技術の独自開発に成功したことで、ワンディ分析が可能になりました。
-『ワンディ』と『JIS規格』。お客様が当社に分析依頼をされる際、この両者はどのように使い分けていけばよいのでしょうか?
『JIS規格分析』による年1回の報告書提出を考えると、1年間をワンサイクルとするシステムが考えられるわけです。ミヤマではこれを『ミヤマバリューパッケージ』という年間定期分析パッケージとしてご提案しています。
-『ワンディ分析』で調査・対策、そして『JIS規格分析』で報告書提出、となると、両者の整合性が重要になってきますね。
ミヤマは、新潟県の燕テクノロジーセンター内に、『JIS規格分析』を行う『ダイオキシン類分析室』と、『ワンディ分析』を行う『環境技術開発研究所』を併設しています。『ワンディ分析』の手法の開発にあたっては、『ダイオキシン類分析室』の『JIS規格分析』によって常に精度チェックを行ってきました。自社に『JIS規格分析』が行えるセクションが既にあったため開発はスムーズに進みました。現在も、2つの分析セクションで定期的な『クロスチェック』を行っており、高い精度管理と良好な整合性を維持しています。
-ワンディ分析の今後の展開はいかがでしょう。
現在『ワンディ分析』では、焼却灰、ばいじん、土壌、廃液、汚泥、廃棄物の分析を行っていますが、今後はさらに分析範囲や測定対象を拡大し、お客様の様々なご要望にお応えしていきたいと思っています。
-期待しています。がんばってください。
私たちが想定しているのは、ダイオキシン対策において、設備等の対策を施しつつ改善状況を『ワンディ分析』で確認し、対策完了となったところで『JIS規格分析』を行い報告書作成、という両者を併用した環境管理システムを導入いただくことです。
-気になる部分は『ワンディ』で徹底的に、めどがついたら『JIS規格』で、というわけですね。
『ワンディ分析』及び『JIS規格分析』ににつきましては、弊社営業担当または下記までお気軽にお問い合わせください。
環境検査計測事業部
TEL:026-284-5114 E-Mail:kensa@miyama.net
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