2000.06.01
迅速、低コスト、確実な浄化を目指す
ミヤマの環境地質事業部では、地質汚染を化学・地質学の視点から見つめた回復システムをご提案しています。
コンサルティング・調査分析・プランニングから浄化・処理に至るまでを自社一貫体制で行うシステムはお客様から高い評価を頂いています。
地質汚染の現状と当地質汚染回復システムについて林事業部長に聞きました。
-ここ10年ほど土壌汚染、地下水汚染がメディアでも数多く報道され注目を集めていますが、ミヤマが地質汚染回復事業をスタートしたのはいつ頃でしたか?
事業部として発足したのは1994年ですが、1990年には有機塩素系溶剤汚染土の処理を客土方式で行っていますし、1991年には現在の浄化技術の主流ともいえる減圧吸引法での浄化を開始しています。しかし、実際に今でいう地質汚染の浄化・処理を始めたのは1983年頃です。当社の保全事業として重金属類を使用した工場設備の解体、処理という仕事がありますが、設備処理後の工場敷地内に残った汚染土を環境対策というよりも保全対策としてお客様から依頼を受けて処理していました。
-当時の重金属汚染土の処理方法はどんなものでしたか。
1981 年に当社分水工場ができ汚泥処理が可能となったので、汚染土を搬出・工場処理をしていました。汚染土は産業廃棄物ではないのですが、その性状からみると汚泥と同様の処理が必要です。現在でも現地処理の及ばない範囲の浄化対策として、重金属であれ有機塩素系溶剤であれ、高濃度の汚染であったり現地処理が難しかったり処理には不適切な汚染物質が含まれている場合は、ミヤマの各工場で処理しています。処理方法としては汚染物質の性状に応じて焼却、固化、化学処理、生物処理等を行っています。
-自社内で最適な浄化対策をチョイスできるということですね。
現在広く行われている地質汚染回復の取り組みは多様で、土木的見地から、鉱業的あるいは水利用等の資源探査の観点からなど、さまざまなアプローチがなされていますが、大切なのはどのようなアプローチかではなく地質を健全な状態に回復する成果そのものだと思います。幸いミヤマにはバックボーンとなるさまざまな施設や技術があるので、複数の技術領域でカバーしてゆくことができます。
-重金属汚染と有機塩素系溶剤汚染に特徴はありますか?
今までの経験から、有機塩素系溶剤汚染と重金属汚染を比べてみると、重金属汚染と比較して有機塩素系溶剤汚染は挙動が複雑で粘土層にすら浸透してしまう場合があり、すばやい対応が求められます。また、より複雑な有機塩素系溶剤・鉱物油・重金属の複合型汚染もあります。
-ということは、汚染が広く深く広がってしまい、被害が大きく、また修復しにくくなるということですね。
その通りです。汚染が土壌にとどまらず、地下水にまで到達してしまうこともあります。地質汚染回復に求められるのは迅速さですが、そのためには汚染状況を的確に把握しなければなりません。目に見えない地下で汚染がどのように広がっているのかそこをしっかりつかんでおかなければ有効な対策がうてないのです。ミヤマでは業務に携わる全ての技術者、管理者、作業者が有害汚染物質・廃棄物等の取扱いに習熟した人間、地質学に精通した人間で構成されています。これらのスタッフが表土や表層ガス濃度のサンプリング、パーカッションボーリング、電気検層、物理探査などによる調査を通じ、汚染範囲、地下水汚染発生の有無などを把握します。
-的確な調査があってこそ最善の対策、プランニングができるのですね。
プランニングのためにミヤマは特に地層を見るということに力を入れています。地質は盛土層、細粒砂層、火山灰層、粘土層、粗粒砂層、など各層で形成されていて、その通気性、透水性、地下水位もさまざまです。
汚染の広がり方は地層によって全く違ったあらわれ方をするので、汚染状況解析システムによって地層における3次元的な拡散状況を把握し、最適なプランニングを行います。地質をよく把握していなかったことで効果的な回復が得られなかったり、また、回復作業による二次汚染を引き起こしてしまうことはあってはならないことです。最小限の環境負荷とコストで汚染を回復することが、環境にとってもお客様にとっても大切なことだと思います。
-地質汚染回復のための新技術にも期待したいですね。
本格的な地質汚染回復が始まって約10年程、この分野はまだ始まったばかりといえますが、その間さまざまな技術や装置が生まれています。現在も当社の環境技術開発研究所、複数の大学などと連携しながら新技術の開発を進めています。また、今までの経験を生かした浄化装置の開発も進めていますが、大切なのは後遺症を残すことのない環境に適合した技術であることです。より安全で迅速な浄化技術を確立したいと思っています。
●シミュレーション/汚染物質の分布状況の立体表示
●ブロックダイヤグラム/地層中での汚染物質の流れの立体表示と予測
●フェンスダイヤグラム/地質構造の立体表示
●シミュレーション/地下水汚染の将来予測
これまでミヤマが手がけた地質汚染回復件数は、500件余り。この間に蓄積されたさまざまなノウハウをベースに、今後もお客様のご要望にお応えして参ります。ご期待ください。
地質汚染回復につきましては、弊社営業担当または下記までお気軽にお問い合わせください。
環境地質事業部
TEL:026-285-4183 E-Mail:geology@miyama.net
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