1999.08.01
ミヤマ上越工場でイオン交換樹脂再生工場拡張一新!
ミヤマでは昭和50年代より、イオン交換樹脂の再生を手がけて参りました。そして、昭和60年からは現在の上越工場内に再生ラインを設け、いち早く樹脂の再生事業を推進して参りました。しかし近年、イオン交換樹脂の用途が様々な分野へ広がりをみせる中、こうしたニーズに対応すべく、従来を大きく上回る処理能力を持つ再生ラインを新たに増設いたしました。今回はこのイオン交換樹脂の新たな活用法とリサイクル及び再生事業についてご紹介します。
広がるイオン交換樹脂の応用分野
従来イオン交換樹脂は主に、
● 半導体製造やプリント基板製造での純水製造
● 電子部品/精密部品製造での純水製造
● 各種処理工程内の水洗水クローズドシステム
● メッキ排水の水洗水の処理及びリサイクル
● アルカリ洗浄の水洗水の処理及びリサイクル
● 電着塗装排水の水洗水の処理及びリサイクル
● 水銀・ヒ素排水の吸着除去
等に使われてきました。 中でも、排水処理における新分野での応用が広がりつつあります。この背景には、環境基準項目に加えられる物質名が年々増加し、水質汚濁防止法に規制される基準値がますます厳しくなって来ている現状があります。例えば、近々に改正が予想されるフッ素、ホウ素、硝酸性窒素といった物質を除去する手法として、イオン交換システムは従来の凝集沈殿処理法などでは対応出来ないような厳しい規制値レベルでの排水浄化を可能とします。例えば、排水に含まれる水銀は0.005ppm以下、カドミウム、ヒ素、セレン、鉛は、0.1ppm 以下六価クロムは0.5ppm以下ですが、いずれもイオン交換樹脂や特殊なキレート樹脂を使うことで初めてこれらの厳しい排水基準値をクリアできるのです。
さらに、貴金属の回収や規制が厳しくなっている廃棄物焼却場での排煙洗浄、温泉に含まれるヒ素の除去、飲料水の浄化といった、生産工場以外での用途でもイオン交換樹脂や吸着キレート樹脂を使用するケースが増えています。ミヤマ環境装置事業部では、こうした多様なニーズにお応えする各種イオン交換システムをご提案しています。
あらゆる再生レベルに対応します
ミヤマのイオン交換樹脂再生ラインの特長は、樹脂の再生レベルが極めて高いところにあります。例えば、純水製造時17.5MΩ以上という極めて高品質な純水が得られる再生が可能です。また、シリカ、SS、油などが付着した再生困難な樹脂を、お客様の希望されるレベルまで再生いたします。さらに今回の再生ラインでは、イオン交換ボンベから2万リットルクラスの大型カラムに至るまで、あらゆる形態と量の樹脂再生が可能な設備規模と技術を有し、あらゆるご要望に対応いたします。
徹底したリサイクルを提案します
イオン交換システム最大の特徴は、吸着した重金属をイオン交換樹脂から分離し、樹脂を再使用するところにあります。この作業をイオン交換システム内で行なえば、溶離再生廃液を処理する工程が必要になると同時に、廃棄物の重金属含有スラッジも発生します。ミヤマにお申し付けいただければ、こういったご負担をお客様におかけすることなく、イオン交換樹脂をお使いいただけます。
(1)溶離再生廃液のリサイクル
ミヤマのイオン交換樹脂再生システムは、産業廃棄物処理工場内に再生ラインを設置することで、再生工程で排出される廃液を極めて効率よく処理し、無害化します。さらに、廃液中に含まれる酸、アルカリ、金属類は再資源化しています。
(2)劣化樹脂の二次利用
繰返し再生利用され、劣化したイオン交換樹脂については、別のマテリアルとしてのリサイクルシステムを構築しています。従来は、劣化したら使い捨てされることがほとんどだったイオン交換樹脂を、上記のようなリサイクルにより効率的なリサイクル環境をお客様に提供する、それがミヤマのめざすリサイクルです。
ミヤマのトータルサポート体制 ミヤマの総合力で対応します
ミヤマのイオン交換システムは、社内の各部署が連携し、お客様により大きなメリットを、また地球環境に対してはより負荷の少ないシステムづくりをめざしています。 具体的には、
● システム提案、設計・施行
● 樹脂の選定・販売
● 使用済み樹脂再生
● 廃液中の有価物リサイクル
● イオン交換ボンベの樹脂充填
● 樹脂の劣化テスト・品質チェック
等、設備提案からリサイクル処理に至る様々な工程を、ミヤマがトータルサポートいたします。 ミヤマでは、よりマクロな視点に立ったシステム提案とリサイクル提案で、お客様のご要望に応えていきたい、と考えております。
※なお、イオン交換樹脂の更新を検討されているお客様には、樹脂の劣化テスト、再生回復テスト等をお勧めします。そのテスト結果において、使用不可能なイオン交換樹脂は、ミヤマが更新充填作業から、廃樹脂のリサイクル処分まで行っておりますので、お気軽にお申し付けください。
環境装置事業部
TEL:026-285-4183 E-Mail:souchi@miyama.net
※掲載内容は発行時点のものです。最新情報についてはお問い合わせください。