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旧ピジョンポスト

ピジョンポスト Vol.07

1998.10.01

台湾初の産業廃棄物焼却処理企業の誕生をミヤマがバックアップ!

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台湾の海運業大手エバ・グリーン様のグループ企業、水美工程企業股 有限公司様が、台湾初の生薬処理における産業廃棄物処理業として中間処理工場を操業されることになり、ついては、廃棄物処理業の分野で長年の経験を持つミヤマで研修の場を設けて欲しい、とのご要望をいただきました。そして今回、2ヶ月間の長期研修に、4名の皆さんが来日されました。

 

日本企業の海外進出が盛んに行われる中、台湾での排水処理装置のニーズの高まりと共に、当社も台湾での排水処理プラント建設を請け負うようになり、この間、台湾の企業との交流も進んでいました。また一方、最近では台湾においても産業廃棄物処理を真剣に考えざるを得ない状況となってきていると聴いていました。

 

そんな中、水美工程企業股 有限公司様が環境ビジネスに本格的に乗り出すことになり、台湾初の焼却処理における産業廃棄物処理業の認可を受け、処理施設の建設を始められました。そして、この施設の運営に関するソフト面での広範なノウハウをミヤマが提供することになりました。

 

3カ国語が飛び交う研修はとにかくにぎやか!

 
今回来日されたのは、葉金村さん、陳明徳さん、葉昌鑫さん、游肇崇さんの4名。このうち、日本語が分かるのは葉(金)さんのおひとりだけ。分かるとはいえ完全というわけにはいきませんから、様々な方法を駆使してお互いの理解を高めないと研修は前に進みません。 研修室内には、英語、日本語、台湾語の3種類の言葉が飛び交う一方、言葉ではどうしても理解できない場合は、紙に漢字を書き合う筆談が、意外や、有効なコミュニケーションの手段となっているようです。机の上には、研修用の資料の山に加え、日中辞典、英和辞典、和英辞典、国語辞典といった辞書も常時開かれており、こうした道具を駆使しながらの、にぎやかで常に活気に満ちた研修が続いています。

 

予習・復習・レポート提出。台湾の環境のために奮闘中!

 
今回の研修で当社の担当者が一番びっくりさせられたのは、研修生の皆さんの勉強熱心さでした。その日学ぶ予定の内容は常に予習済み。その日学んだ内容も、ホテルへ戻った後の復習を欠かさず、さらに定期的に本国へレポートも提出されているとか。その熱心さに、台湾初の産業廃棄物焼却処理場を自分たちが創り運営していくんだ、という強烈な意志を感じました。 当社もかつて、土壌汚染の浄化事業等の分野で、この方面の先進国である米国の企業へ出向き、必死になって最新の技術を習得した時期がありました。ミヤマが長年にわたって築き上げてきた産業廃棄物処理の運営から操業にいたる豊富なノウハウが、環境元年を迎えつつある台湾で活かされる日もまもなくです。

 

研修中の皆さんに突撃インタビュー!

 

-台湾の産業廃棄物の現状を教えてください。

 

葉(金)さん:民間企業が自社工場から出た廃棄物を処理するための焼却場を持つ例は既にありますが、現状は、残念ながらずさんに処理されてしまっている例もあり、きちんと廃棄物が処理されていません。そんな現状に対し、台湾で初の焼却処理における産業廃棄物処理業としての許可を取り、こうした廃棄物をきちんと処理していこうというのが狙いで、今、日本の法律と台湾の法律の違いを分析している最中です。 台湾の法律は既に産業廃棄物処理についてきちんと整備されています。法律のある部分では日本より進んでいる部分もあり、またある部分では日本の法律の方がきちんとしている、という部分はありますが、こうした法律の土台の違いをまず確認し整合性を見た上で、台湾の廃棄物をどう処理していくか、といった部分を学んでいるところです。

 

-研修の内容は台湾での事業に活かせそうですか?

 

葉(金)さん:研修の資料は充実していて非常にありがたいのですが、お互いの言葉の問題があって、研修中は、いろんなやり方で理解とコミュニケーションを計っています。 現在は、産業廃棄物に関する台湾の法律と日本の法律を必要な知識としてしっかり取り込んでいこうと頑張っているところです。今後はミヤマの工場での研修も予定されており、机上で分からない部分は現場で理解を深めていこうと考えています。産業廃棄物に関する知識を習得するのは、化学的な内容が多く含まれているのでとても難しいですね。

 

陳さん:日本と台湾の法律の違いを勉強してきましたがとても難しいですね。ただ、ミヤマさんが良い資料を作ってくださったおかげで理解がし易く、収穫も多くなっています。研修をやる場合は20人、30人が集まって大勢でやることが多いのですが、今回は小人数のマンツーマンに近い形で教えてもらえるのがなによりありがたいです。言葉の部分で不自由が大きい分、こうした体制だとしっかり学ぶことが出来ますからね。

 

-皆さんは、台湾初の焼却処理における産業廃棄物処理業を運営されるキーマンとして活躍されるわけですが、今後の抱負をお聞かせください。

 

葉(金)さん:ミヤマ式の運営管理をぜひやっていきたいですね。受け入れから焼却装置の操業、書類の報告形態など、一連の工程を学んでいきたいと思います。また、ミヤマの長年の経験からくる有形無形のノウハウを会得していきたいと考えています。 台湾では焼却処理における産業廃棄物処理場が、北部、中部、南部の3個所に建設される予定ですが、私たちは、政府から許可を得た台湾で最初の産業廃棄物焼却処理施設となる、北部の運営を行う予定です。 将来、ミヤマと水美が共同で台湾の産業廃棄物に対して事業を行っていければ嬉しいですね。

 

環境問題の全世界的な動きの中で

 

産業廃棄物処理の問題は既に、国単位ではなく、地球全体の課題として捉えていかなければならない時代に到達しています。産業廃棄物処理の分野での環境元年を迎えようとしている台湾への今回の技術供与は、ミヤマにとっても初めての経験ですが、法律や背景が異なる場所での環境ビジネス、という点では当社としても得るところの多い研修です。 台湾初の産業廃棄物焼却処理会社が操業を始めるのもまもなく。ミヤマが25年にわたり築き上げた産業廃棄物処理の様々なノウハウを、台湾の環境の為に活かしていただければ幸いです。



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