1998.08.01
INTERVIEW 拡大するリサイクルニーズに応えるために。
ミヤマ環境リサイクル事業部・桜井英明の「金属含有廃棄物のリサイクル」と題された論文が「大学等廃棄物処理施設協議会会報」の平成10年3月号に掲載されました。桜井に、論文の概要とリサイクル事業の今後を聞きました。
-今回寄稿された論文の概要を教えてください。
今回の論文で取り上げたのは、重金属を含む液状廃棄物の処理時のリサイクルについてです。ミヤマでは、重金属の抽出分離を主な工程として廃棄物の処理を行っていますが、この工程を改良することによって、重金属を含む液状廃棄物から、非鉄金属製錬所向けの副原料を製造する方法を研究してきました。今回の論文では、そうした研究のひとつである、無電解めっき廃液から非鉄金属原料を製造する方法について紹介しています。
-ミヤマでは金属回収を以前から行っていますが、他の金属についてはいかがでしょうか?
一例として、鉛のリサイクル例を紹介しましょう。鉛は有害であると同時に有用な金属でもあります。抽出した鉛化合物を鉛製錬所に供給する事を追加したシステムを構築しました。有害廃棄物処理=鉛除去という効率の良いシステムとなっています。
-スラッジ、廃酸、廃アルカリ等からの有用な金属の回収・リサイクルは、ミヤマが創業当初から取り組んできた課題でありノウハウだと思いますが、現在何種類位の廃棄物から回収が行われているのでしょうか?
先日リサイクルインデックスカタログ作成中に数えてみましたら廃酸・廃アルカリだけで60種、廃油が30種、汚泥が18種、廃プラスチックが19種など、全部を合わせると190種以上にもなりました。改めてびっくりしますね(笑)
-今後の取り組みを聞かせてください。
あらゆる廃棄物についてリサイクルの必要性が叫ばれ様々な試みが行われていますが、残念ながら問題なく稼動しているケースは多くありません。これは、雑多な組成で構成された廃棄物を一括して処理加工し製品化することがいかに難しいかを物語っています。 今後は、リサイクルに必要な操作を既存のマスプロセスに吸収できるところがこれを担当し、リサイクルを「完結」して製品化する方法が有効になるのではないかと考えています。ミヤマは、廃棄物の無害化・減量化技術が、結果としてリサイクル化を促進するプロセスだと考え、今後、こうした技術が使われた事例を増やしていこうと考えています。
-リサイクルはミヤマ創業以来のテーマです。期待しています。頑張ってください!
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