1998.04.01
INTERVIEW 科学の視線で「地質環境」を探求(さぐ)る!
ミヤマ環境地質事業部では、汚染土壌・地下水の調査、計画立案、浄化を一貫体制で行っています。今回は、環境地質事業部員で、様々なシンポジウム、研究会等で発表するなど活躍中の間中理哉さんに、地質事業の実際について聞いてみました。
-ミヤマでは既に15年前から「地質汚染浄化」の事業を行ってきましたが、最近では、多くの企業がこの分野に参入してきています。ミヤマが言う「地質汚染」という言葉は、最近使われるようになった「土壌汚染」とどのような違いがあるのですか。
「地質汚染」というのは、耳慣れない言葉かもしれませんね。「土壌」とは、地質学的には、地下のごく浅い部分を指す言葉なんです。地下で起きているあらゆる汚染を一言で言うのには、「地質汚染」という言葉がぴったりくるように感じています。
-「地質学」というと、野尻湖でナウマン象の骨を発掘・・・という感じでとらえてしまいがちですが、環境地質事業部での間中さんのお仕事について教えてください。
ミヤマは一貫体制で浄化事業を展開していますが、これを図式化してみると下のようになります。表中3、4が、私が受け持っている部分です。現場でのボーリング試料の鑑定や解析、地層観察、地下水への影響調査等を行っています。
-シンポジウムや研究会へ参加する機会が大変多いようですが、どういった内容の発表をされているのですか?
「堆積環境と汚染物質の挙動との関係」について発表しています。ミヤマで様々な現場を担当しているうちに、“汚染物質の移動経路は、地層の出来た環境とその変遷史に支配される例が案外多い”ということに気付き、これを文献にまとめたものです。幸い、この発表は地質汚染と堆積の専門家を結び付け活発な討論をいただくきっかけともなったようです。 これまでに、日本地質学会や日本地下水学会で発表させて頂いていますが、中でも一昨年、中国の北京で開かれた「第30回国際地質学会議」で発表し、世界各国の地質の先生方から熱いご討論を頂けたことは、大変に良い経験となりました。
-地質学でいうところの、地層の出来た大昔の「環境」が、現在の「環境」を左右する・・・「環境」という言葉は奥が深いですね。
地質学といいましてもいろんな分野があります。ミヤマのメンバーが得意とする各分野から汚染の調査や浄化にあたり、新しい視点が出てくればと思いますね。そして、最終的には、地質汚染だけでなく、大地に起こる様々な環境問題を取り扱えるようになれば、と夢見ています。
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