1997.12.01
ミヤマ上越工場に新ライン完成 「無電解ニッケルメッキ廃液」から「肥料原料」へ
「無電解ニッケルメッキ」は私たちの身のまわりにあるさまざまな物に使用されています。ハードディスク、CD-ROM、自動車部品、コンピューター機器の接点、電子部品の電磁シールドなどですが、その使用量は年々増加し、現在「無電解ニッケルメッキ」の廃液は約125,000t/年といわれています。
そのうちの2/3、約83,000t/年が産業廃棄物として業者委託により処理されています。ミヤマが処理しているこの廃液は年間約11,000tで、業者委託処理総量の約15%弱を取り扱っていることになります。
ミヤマの新しいリサイクル専用ラインは、この「無電解ニッケルメッキ」廃液からニッケル原料、リン酸肥料原料をリサイクルする画期的なシステムです。
ミヤマでは1993年より「無電解ニッケルメッキ」廃液からニッケル原料を回収してまいりましたが、この廃液成分の主体であるリンを回収、リン酸肥料原料化に成功しました。
ミヤマ上越工場では、これまでも廃酸、廃アルカリの処理と同時に金属の回収、又イオン交換ボンベの再生、金属回収等を行って参りましたが、新たにラインナップされたのが「無電解ニッケルメッキ」廃液の資源化です。
現在同装置の試運転を行い、リサイクル化によるコストアップ分をいかに低減化することができるか検討を進めています。尚、装置の本稼動は1998年下期を予定しており、上越工場では廃液の搬入量増に対応できるよう一層の処理効率の向上を目指し、万全の体制を構築しています。
「美しい海への選択」から「大地への還元」へ
「美しい海への選択」というミヤマのコンセプトブックをご存知でしょうか?
1993年に行われたIMO(国際海事機関)によるロンドン条約の会議が1996年1月1日から産業廃棄物の海洋投棄処分の原則的禁止を決定したことを受けて、1994年に発行したものです。
「美しい海への選択」はミヤマの環境に対する考え方、取り組みを表現したものです。ミヤマでは1984年より、すべての産業廃棄物を陸上処理に切り替えており、海洋投棄処分は行っておりませんでしたが、それは決して海洋投棄の禁止という事態を予測してのものではありませんでした。
廃棄物の処理とは、それが将来にわたって環境に著しい影響を及ぼすことがないようにすることが望ましい姿であり、完全かつ無害であるように適切に処理し、環境に対して還元していくべきと考えたからです。そのステップとして、ミヤマはすべての産業廃棄物について陸上処分で取り組むことを選択したのです。
「美しい海への選択」から13年。ミヤマの環境技術への挑戦はつづいています。
増々厳しくなる規制値に対応する処理技術。たとえば今回の「無電解ニッケルメッキ」廃液のリサイクルラインは今後、規制対象となりえる、ニッケル、リンの処理という観点から見ても大きく貢献するものと思われます。さらに創業当事から取り組みつづけている資源化技術。
時代の要請ともいうべきリサイクル推進のための新技術はISO 14000シリーズ取得など、環境に対して先進的な取り組みを進める多くの企業の皆様から大きな期待をお寄せいただいています。
時代の要請ともいうべきリサイクル推進のための新技術はISO 14000シリーズ取得など、環境に対して先進的な取り組みを進める多くの企業の皆様から大きな期待をお寄せいただいています。
燐規制対象の湖沼及び海域
〔昭和60年5月30日 環境庁告示第27号 平成5年8月27日 環境庁告示第66号(2次改正))
|
|
水質汚濁に係る環境基準等・要監視項目及び指針値
(平成5年3月8日付環境庁水質保全局長通知)項目名 | 指針値 | |
1 | クロロホルム | 0.06mg/l以下 |
2 | トランス-1,2ジクロロエチレン | 0.04mg/l以下 |
3 | -1,2ジクロロプロパン | 0.06mg/l以下 |
4 | pジクロロベンゼン | 0.3mg/l以下 |
5 | イソキサチオン | 0.008mg/l以下 |
6 | ダイアジノン | 0.005mg/l以下 |
7 | フェニトロチオン(MEP) | 0.003mg/l以下 |
8 | イソプロチオラン | 0.04mg/l以下 |
9 | オシキン銅(有機銅) | 0.04mg/l以下 |
10 | クロロタニル(TPN) | 0.04mg/l以下 |
11 | プロピザミド | 0.008mg/l以下 |
12 | EPN | 0.006mg/l以下 |
13 | ジクロルボス(DDVP) | 0.01mg/l以下 |
14 | フェノブカルブ(PBMC) | 0.02mg/l以下 |
15 | イプロベンホス(IBP) | 0.008mg/l以下 |
16 | クロニトロフェン(CNP) | |
17 | トルエン | 0.6mg/l以下 |
18 | キシレン | 0.4mg/l以下 |
19 | フタル酸ジエチルヘキシル | 0.06mg/l以下 |
20 | ほう素 | 0.2mg/l以下 |
21 | フッ素 | 0.8mg/l以下 |
22 | ニッケル | 0.01mg/l以下 |
23 | モリブデン | 0.07mg/l以下 |
14 | アンチモン | 0.002mg/l以下 |
25 | 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 | 10mg/l以下 |
※掲載内容は発行時点のものです。最新情報についてはお問い合わせください。